ブログカテゴリ:物語のかけら



2017/08/21
船着場のアイスクリーム屋が開くのは太陽がのぼる直前の夜が少しうすくなった頃だけ。 深夜ラジオにのって届いたバニラビーンズ。 濃紺の港に浮かぶソフトクリーム。 白い顔をしたひとびとは大切な灯を扱うようにそれを受け取る。 「これを求めに来るのは夜に甘い夢を見られなかったひとなのです」 20170821twitter@ohanasitechoおはなし手帖より
2017/06/01
雨粒の舟にのり 水の街へ落ちてゆく (twitter@ohanasitecho 2017/05/31)
2017/05/15
雨雲を肩にのせてベンチへ座るひとがいました。 レインコートを着てはいますが、青い頬をして震えていました。 隣にもうひとり、雲をのせたひとが座りました。 そのひとの雲から雨は降ってはいませんでした。 「大丈夫。止まない雨はありません」 そうして、雨の止むまで、一緒に待ちました。 ただ、それだけのおはなしです。
2017/03/29
石段のはずれたところへ葉が茂っていた。 どこからともなく風が吹いて、葉がさわさわとゆれる。 一斉に。 幼い頃の感情が立ちのぼって足を止めた。 けれども、思い出のかけらも探し出せない。 それが少しさみしいような気がする。 再び私は歩き出す。 いまはまだ。 またここから。