百年前の。

本の整理をしていたら、数年前に茨城の本屋で購入して、半分も読まないところで栞をされたままの本が出てきました。

それをまたちょびちょび読み始めています。

講談社学術文庫の「明治大正史 世相篇」柳田國男さんの。

 

柳田さんのいた昭和5年の時点から視ての、日本の暮らしぶりや町の変化。その昭和5年という時代も私からするとあこがれの時代です。

 

ここでまた本なのですが。

少し前にドイツ青年ワルデマール・アベグの「百年前の世界一周」を読みました。欧州枠神経質なワルデマールさんが旅をする中でいろいろな国の人々と知り合ってゆき、旅の最後のほうではちょっと博打を打つような振り幅をもつに至る過程をうつくしい写真が飾ってゆきます。

 

百年前、異国への想像と憧憬が今とは比べ物にならなかったろうと思うのです。映像も通信も未発達。

異世界への憧れ。

ただ、現在となっては、ワルデマールさんの撮った百年前の写真自体が、どれもが私からすると異世界。

ワルデマールさんが異世界に憧れたように、決して戻りえない百年前という情景に私は憧れているのかもしれません。

ワルデマールさんは日本へも来ました。

アメリカから回って日本へ辿り着いた旅の行程。日本の写真が現れた時、なつかしさがこみあげました。

おそらく、それぞれの国の人によって、なつかしさがこみあげる写真はちがうのでしょう。

百年前、今とは違う形の国なのに、なつかしい。

行ってみたいと思わせる。

不思議です。

 

柳田さんの本を読んでいて、ワルデマールさんの本を思い出し、百年前という異世界に憧れているんだなあと気づいたのでした。