冬の終わりから春にかけて、ひとつ本をつくりました。
空を見る機会が多く、とにかくつくらなきゃという気持ちで、勢いまかせにつくった本です。
おはなし手帖(Twitter)で何回か投稿した写真つきのおはなし。
「デンシンバシラ」です。
これを2014年5月6日から手づくりものの通販サイト「minne」で販売しようという予定です。
元々5月からminne登録してみようと思って、他の本を考えていたのですが、急遽さしかえ。
考えていた本は秋頃まで寝かせようと思います。
そちらは月と猫にまつわる本なので、中秋の名月あたり目標にしようと。
「デンシンバシラ」は空と電柱と電線の本です。
空も電線も遠いところまでつながってゆくような気がして。
電線を伸ばして、電柱たちが会話しているような気がして。
宮沢賢治の「シグナルとシグナレス」の影響があるなあと自覚しています。
デンシンバシラたちの声を私なりに拾ってみました。
遠くまでつながってゆくといいなと思っています。
今回はフランス装というのにしてみました。
表紙をかっつりつくらない仮綴じの形で、昔はそういう仮綴じの本を自分好みに装丁し直したりしていたそうです。
美篶堂さんの「はじめての手製本」を参考にしてやってみました。
本の背はボンドで貼っただけで、寒冷紗もつけてありますし、もしもご自分でハードなカバーにやってやるぜという方がいらっしゃれば、べりっと背をはがせば、できます。
できますけど……。
悲しいので、できれば、解体しないでもらえると、うれしいです。
ただ、仮綴じで売られる本を、好きな手製本作家さんに持ち込んで、好きな装丁につくってもらえたら、そういう文化ってすてきだなあ。
宝物になるなあ。
そんな風に感じました。
そんなわけもあって、先日大好きな塩竈神社さんに「新しいこと始めようと思ってます」報告に行きました。
毎回七福神おみくじを引くのですが、さすが塩竈さま。
塩づくりを伝えた神様だけあり、しょっぱいお言葉。
「下手な動きをしないでどっしり構える時」
「新しい動きをしても骨折り損でたいした効果はありません」
う、うまくいくなんて思ってないし!!
しょっぱい。しょっぱいわー。
そのしょっぱさが骨にしみます。
でも好きです、塩竈さま。
そんなわけのそんなわけで、うまくいかないものと割り切って、
minneへ登録しますので、神様お墨付きのうまくいかなさをどうぞ見てやってください。
また、5月5日の東京流通センター文学フリマへもちょっとだけ持ってまいります。
お品書きへは表示しませんが、見本は陳列します。
システム利用料金がかからないので、フリマの方が若干かわいい値段でお届けできます。
文学フリマへゆかれる方は、「これがうまくいかない本か」と、手にしてご覧になってみてくださいませね。