きざはし

石段のはずれたところへ葉が茂っていた。 どこからともなく風が吹いて、葉がさわさわとゆれる。 一斉に。 幼い頃の感情が立ちのぼって足を止めた。 けれども、思い出のかけらも探し出せない。 それが少しさみしいような気がする。 再び私は歩き出す。 いまはまだ。 またここから。