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謹賀新年

カーテンを開けると雪が降っていました。

静かな朝です。

建物のとがった角がみんな雪におおわれて、こんもりとまるみを帯びています。

猫はミケの方は朝から元気にあちこち動いています。

カギシッポの方はお気に入りの寝床で目覚めて、じっとこちらを見ています。

あけましておめでとう。

 

静かな朝です。

大晦日には少しご馳走が過ぎました。今朝はコーヒーを淹れるだけ。

北海道の開拓民だったという方に年末年始のお話を聞いたところ、大晦日には歳をとった鶏をつぶして家族でいただき、年始には7日までは殺生をせずに過ごすそうです。鶏や豚を飼育していても、それは家畜で、それは暮らしに必要な物と交換する大切なものだから。

そんな話を思い出しながら、コーヒーの温度が変化してゆきます。

 

昨年は地球規模の大きな出来事があり、感情のゆさぶられることも多く、自身の生活も変わり、心の動きがわからなくなってしまうこともありました。

振り返ってみれば、創作だけはほそぼそと続けていて、手製本を2冊はつくり、イベントも乗り切り、新しい環境にも少しは慣れて、時に心が鈍くふるえている間にも、この手足だけは一生懸命動いていたようでした。

なんとか乗り越えた2020年をしっかりと抱えて、2021年を進んでゆきたいです。

 

新しい本をつくっています。

2020年、海に通いつづけていたのですが、その間にふつふつと生まれていたものをまとめた手製本です。

海の風や波の音には体の表面や内面にたまった物思いが洗い流されました。

波が重なり泡ぶくの生まれては消える様子が頭から離れません。

そんな海の日々から、発生した本です。

そこから派生した文庫本カバーを新年の贈り物として、トップページでダウンロードいただけますので、よかったらどうぞお使いください。

 

一歩ずつ、確実に、回る世界の上を進んで、どこまでもゆけますように。