振り返る間もないまま2022年が終わり、2023年がはやくも15日経過しました。
昨年はありがとうございました。
今年もよろしくお願いします。
2022年のはじまりは、その前から引き継いでいた、不調や息苦しさ、時間で首を絞めるような、停滞に向きあって、『黒い炎の珈琲』や『うたかたの森のビスケット』をつくり、個展の準備をしました。
ギャラリーチフリグリでの展示が終わったあとは、一ヶ月くらい、からっぽになってしまって、肩のちからがどっと抜けて何もする気がなくなったのを覚えています。ずっと交感神経優位な状態だったので、なにをしたらリラックスするのかわからなくなりました。
『黒い炎の珈琲』は砂時計のなかに閉じ込められてまるでコピー&ペーストするような毎日を繰り返している気分をそのまま描いた本で、つくっているときは辛かったですが、つくってよかったと思います。
つくることで何か意識が変わるというのを再認識しました。
『うたかたの森のビスケット』は悪夢を食べてくれる獏をねぎらうための本でした。
〈夢〉が非常に重要な本だったわけですが、2022年は夢の利用を意識した年でした。夢の記録と日常の記録を同じノートに書き留めることで、通常の日記よりも、感じていることが明らかになりましたし、本当はどう行動したいと考えているのかということを、自分自身と相談できました。
その結果、実生活がけっこう大きく変わりました。おもしろいなと思いました。
夏から作り始めた『とりとめもない日々』は、ずっとまとわりついていた重さがなくなって、創作のなかの他愛なさを自分に許可できました。
めずらしく鳥モチーフが同時期に重なり、ティーバッグ型本3部作『Bird Dream』も、『とりとめもない日々』と同じく、人間と鳥が暮らす話です。この2作品は両方、「人のもとに鳥がやってくる」そして「人と鳥が一緒に暮らす」話ですが、「信じられる」鳥と「信用しきれない」鳥になりました。どちらもハッピーエンド。です、一応。
(映画『ブラック・スワン』みたいなこの上ないハッピーエンドをいつか書きたいです)
つくること、暮らし、考え、直感、いろんなことが絡まって、なにかどこかには歩いているような気がします。
今、ふしぎと、自由な感覚です。放課後の時間を思い出しています。
初心に戻りたい気持ちがあって、年明けからいちばん最初に手製本をつくったときみたいな、素朴な本をつくっています。
過去の掌編をまとめた本も製作中です。
それらは、2023年3月、MOTOYA Book・Cafe・Gallery(東京都渋谷区初台)の展示・Book Loversに出展を予定しています。
生きている時間の割り振りを考えています。
仕事を社会的なつながりのベーシックインカムとして、チャレンジしたい生き方の取り組みをひとつ、物語を本にすることをひとつ、その三つを回して暮らす生活。
世の中がどうなるのかわからないですが、生きているここ、まわりのひとたちが穏やか愉快でいられるような、小さな暮らしをつくっていたいです。
という2023年の1月15日です。