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2017年6月11日に岩手文学フリマで発刊しました、新しい豆本「クレッシェンド」の通信販売準備が整いました。
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crescendoは「だんだん強く音量を大きくして演奏する」という強弱記号です
手のひらにおさまる
このちいさな本は
音が大きくなるように
言葉や気持ちがふくらんでいく物語です
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目の見えない「彼」は雑踏の時計台に立ち
あるひとの足音を探しています
それは
いつかの日に
彼の手を引き
街を案内した女性です
そのひとの靴音は
まるで星の落ちる音
雲の溶ける音さえ聞こうとするその耳で
とうとう「彼」はよく似た靴音を捉えました
でも
その靴音は
「彼女」ではありませんでした
「彼女」ではない「彼女」は
「彼」の目が見えないことを知ると
「彼」の目になり
「彼女」を探すことを決めました
「彼女」からはじまったやさしい気持ち
それは
つらなって
ふくらんで
いつしか
大きく
響きます
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◇手製本
◇全28ページ/箱入り
◇印刷:インクジェットプリンタ
◇2012年共同企画展「おんさ」出展品
どうぞよろしくお願いします!