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手製本『黒い炎の珈琲』

物語について


『黒い炎の珈琲』は、魔法の珈琲を燃料にして、繰り返す日々を機関車のように走り生きる〈僕〉について書きました。

一杯の熱い珈琲によって、なんとか人間の形を取り戻し、玄関を出る。

とりまくものに疲れ、諦観を決めても諦めきれず、さきに希望がないんだかなあるんだか。

日、ただその日を歩くとっかかりの、朝の火。

鞭打ち、繰り返す日々に、ほんものの火を探す。

そういう〈僕〉は、街のいたるところにいるのじゃないかと思います。

造本について


うずまく巻物に仕立てました。

珈琲の飲みこまれてゆく、ひとの体は真っ暗です。

光がさしこまない限り、粘膜の桃色は隠れています。

みんな内側は闇です。

この波型台紙の巻物は、読み進めるその部分だけに光がさします。

白と黒の炎の上に乗った文字を、光にさらすようにしてごらんいただけます。

一枚の台紙にそれぞれ炎を描きましたので、ふたつと同じ本はありません。

巻物がグルグルっと広がる、その物質感をお楽しみいただけたらうれしいです。


『黒い炎の珈琲』ウェブ閲覧用テキストイメージ

『黒い炎の珈琲』著・かくら こう

am7:00/drink/sleep/work/drip/dream

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■サイズ:(ケース)直径92mm 高さ113mm (本文)1620×70mm

■販売予定価格:700円

■発行日:2022年2月22日

■Book Lovers 2022出展参加品